エイミーコミック/AMY COMIC

高校生男女の一次創作ラブコメ漫画「好きって言わせてやる!」を連載中です^^ 男性向けに創作男女のラブコメ漫画を描いていますが、女性も読んで下さると嬉しいです!

“エイミーコミック”

番外編【蓮】好きって言わせてやる!

▼ここまでの登場人物

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▼ここまでの相関図

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※葵が茶ノ木に編入する前の、茶ノ木大付属中等部3年生の秋頃のお話になります。

 

 

 

風が心地よく吹き抜ける屋上のドアの前で、俺は1人でスマホを見つめていた。


『もう別れよ』


他校に通う”彼女”から届いたラインを見つめながら、深いため息がこぼれた。

 

 

いや、むしろ向こうから別れを告げられるのを俺は待っていたのかもしれない。


彼女と付き合ったきっかけは、夏のテニスの決勝戦が終わった後、以前から俺の試合を見てくれていたという彼女から連絡先を聞かれ、何度かラインのやり取りをしたあとに告白をされた。

 

彼女は顔が可愛い方だし、今まで誰かと付き合った経験が無かったのもあって、興味本位で告白を受け入れた。

恋愛に興味はあったし、このまま付き合えば自然と彼女のことを好きになるのだと容易に考えていた。

 

(俺なりに頑張ってたつもりだったんだけどな・・)


彼女と付き合った2カ月半を振り返る。

最初の頃、彼女はよく自分のことをかっこいいと言ってくれていた。

それが照れくさくて、すごく嬉しくて、かっこいい所だけを見せたかったのに、逆にかっこいい自分を見せようとすると変に空回りしてどうも上手くいかなかった。

 

昔からエッチなモノを見たり、性的に興奮すると鼻血を出しては周りからからかわれるし、暗い場所やホラーが苦手で怖がっていると「男らしくない」と馬鹿にされたりもする。

勉強も別に得意ではない。
茶の木に入れたのだって、どうしてもここのテニス部に入りたくて必死に受験勉強してギリギリ入学出来たようなものだ。

 

俺は彼女が思っていたような”かっこいい男“なんかじゃない。

テニスがそこそこ出来る事しか取り柄のない、 “普通の男” なのだ。

 

俺は部活が終わるといつもテニススクールに通っている事もあり、なかなか彼女と会う時間もなければ連絡を取ることも難しかった。

いや、忙しいを言い訳にして彼女のことを後回しにしていたのかもしれない。

結局、俺は彼女よりテニスを優先していたのだ。

 

ある時から彼女から来るラインの頻度もだんだん減っていき、すれ違いが続いた末にあちらから別れを告げられた。

 

(初めて誰かと付き合ったけど、思ってたよりしんどかったな・・)

 

そもそもこう思うってことは、実はそんなにあの子のことを好きではなかったのだろうか?と、疲れ切った表情で自問自答する。

 


しかし、その思いを振り払い、開き直ることにした。

(恋愛は当分いいや。今はテニスだけに集中しよう。)

そして立ち上がり、前を向く。

 


ーーーが、しかし。

心の奥底ではまだ何かが引っかかっているようで、またその場にしゃがみ込んでしまう。

 

(あ〜〜〜っ、癒されたい癒されたい!)

髪をガシガシと掻きまわす。
そしてボサボサになった髪を適当に整え、俯きながらふう、とため息をついた。


(次付き合う子は、一途に思ってくれて、ダサくて情けない俺でも受け入れてくれる優しい子がいいな・・)


再び深いため息をつき、重たい腰を上げて屋上から出て階段を降り始めた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

廊下に出ると、男子の間で人気の ”高嶺の花” と呼ばれている美少女が下を向きながらキョロキョロと何かを探しているのが見えた。

 

「奈津さん?」

 

下ばかりを見ていたせいか奈津さんはバランスを崩し、後ろに倒れそうになる瞬間、俺は咄嗟に反応し、急いで彼女に駆け寄った。

 

 

奈津さんは一瞬驚いた表情を見せたが、そのあとこちらに顔を向けて微笑む。

「あ、ありがとう」

「下ばっかり見てると危ないよ」

「ごめんなさい。ちょっと探しものをしてて…」

「探しもの?」

 

奈津さんは困ったような様子で、

「押し花のしおりを探してるの。多分この辺に落としたと思うんだけど、見つからなくて…」

 

俺はなにかを思い出してズボンの左ポケットに手を突っ込み、探し物と思われるものを奈津さんの前に差し出して見せた。

「しおりって、これのこと?」

彼女は驚きと同時に嬉しそうな表情でしおりを見つめた。

 

「それ!どこに落ちてたの?」

「さっきそこの階段に落ちてた。あとで職員室に持って行こうと思ってたんだけど、奈津さんのだったんだね」

 

はい、としおりを渡す。

「見つかってよかったぁ」

奈津さんはほっとした表情でしおりを手に取り、安堵のため息をついた。

「すごく大切なものなの、本当にありがとう!」

彼女は満面の笑みでお礼を言い、押し花のしおりを優しく大事そうに握った。

 

その可愛らしい笑顔に、一瞬ドキッとする。


(今まで同じクラスになった事がないから一度も話したことなかったけど、奈津さんがモテる理由がわかる。こうして間近で見ると、たしかにすごく可愛い・・)


頬が熱い。

照れているであろう自分の表情に気付き、片手で口元を押さえながら慌てて奈津さんから目線を逸らす。

 

「もう落とさないように気をつけてね。そ、それじゃ!」

彼女に背を向けてその場から足早に去ろうとしたが、

 

「ちょっと待って天城くん!」

後ろから奈津さんに呼び止められる。

 

「なに?」

「ちょっとだけ左手を見せてくれるかな?」

「左手?」

 

言われるがまま左手を奈津さんの前に差し出した。

すると彼女は両手で俺の左手をそっと包み込むように触れ、俺は思わず「えっ!?」と驚きの声を上げた。

 

俺の左手の人差し指をじっと見つめながら、

「やっぱり。ここの人差し指、少し切れてるよ?」

それはさっき授業中にプリントの角で指を擦ってしまったものだ。

 

「さっきちょっと擦ったんだよ。どうせすぐ治るし大丈夫だって」

少し頬を赤く染めながらハハッと笑って答える。

 

「ちょっと待ってね」

奈津さんは手に持っていたポーチの中から絆創膏を取り出し、丁寧なしぐさで俺の指に巻きつけた。

「・・・」

彼女の柔らかな手つきに、ドキドキしながら黙って見つめていた。

 

「天城くんはテニス部なんだよね?」

「う、うん」

奈津さんは顔を上げ、俺の目を真っすぐに見つめながら言葉を続ける。

 

 

絆創膏をつけた左手を軽く握られ、彼女は優しく俺に微笑みかけた。

 

 

奈津さんの優しさと笑顔に、胸の鼓動はさらに高まった。彼女の笑顔が魅力的で、心が引き寄せられるようだった。

 

視線を逸せない。
その可愛らしい笑顔を一瞬も見逃したくなかった。


この感情はもしかして・・・

 



 

楓と川津が少し離れた前方からこちらに歩いてくる。

奈津さんの隣にいる俺の存在にすぐ気づいた楓は、「何してんの?」と問いかける。

「俺は…」

「天城くんがしおりを拾ってくれてたの。2人ともわざわざ探しに行ってくれたのにごめんね?」

 

さきほど奈津さん達のクラスは理科室で授業があった為、もしかしたら理科室にしおりを落としたのではないかと思った楓と川津は、また戻って探してくれていたらしい。

 

「見つかってよかったね〜!」

川津はまるで自分のことのように喜んだ。

 

そして川津は奈津さんの左側に周り、彼女の腕を組んで、

「教室に戻ろう椿〜♪」

「うん。あっ、天城くん!」

奈津さんは後ろにいる俺に振り向き、

「本当にありがとう、部活がんばってね!」

彼女の笑顔につられて、俺は自然と笑顔になった。

 

奈津さんはこちらに手を振ったあと、楓と川津と一緒に教室に戻って行く。

俺はまだドキドキしながら彼女の背中を見送っていた。

 


すると後ろから、

「蓮!どこに行ってたんだよ!」

裕太に背中を軽く押される。

授業が終わって急に教室から姿を消した俺を、同じクラスの裕太と啓介は探していた。

「次移動だぞ」

少し呆れた様子で啓介は言い、「ほら、お前の教科書」と啓介は教科書を渡してきた。俺の教科書をわざわざ持って来てくれていたのだ。

「ありがとう!」

 

そして俺はなにかを振り切ったような様子で2人に、

「あのさ、俺彼女と別れた」

あっけらかんとした笑顔で言う俺に驚く裕太と啓介。

 

 

そんな俺の様子に啓介は、

「にしては、あんまり落ち込んでなさそうじゃん」

「まぁ、もう気にしてもしょうがないしね」

「えぇ〜、俺ならしばらく落ち込みそうだけどな〜」

お前は結構引きずりそうだよな、と啓介は裕太をからかい、次の移動教室に向かって足を進める。

それ以上深く踏み込んでこないところがこの2人の良いところだな、と裕太たちの後ろ姿を見て俺はひっそり笑みを浮かべた。

 

そして先ほど椿につけてもらった絆創膏を見つめながら顔をほころばせた。

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


教室の前まで戻ってきた椿たち。

やっと見つかった押し花のしおりを、椿が大事そうに握っているのを見て桜は、

「ところで、その押し花のしおりって何のお花なの〜?」

 

桜の問いかけに椿はニコッと微笑み、

 

 

 

番外編【蓮】おわり

 

 

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【あとがき】

初めての小説、文章が下手すぎクソワロタ/(^o^)\

文章書くの超むずかしいいい(仰向けに倒れる)

でもいい経験ができたので、読者の皆様、お付き合い頂きありがとうございます( ^∀^)

 

今回は蓮がメインのお話でした!

3章で蓮が登場するだいぶ前から考えていたお話だったので、やっとこうして形にできて良かった。

 

蓮って彼女いたの!?って感じですよね(どういう意味や)

大体、中2〜中3あたりから誰と誰が付き合ってる、って話を聞くようになりますよね^^

 

そして自分から告白したわけじゃなくても、振られると結構凹みますよね〜

 

女子と違って男子は振られた場合、何で別れたの??って深く追求されるのを嫌がる気がする。

男のプライドがありますからね。(彼らは繊細なので)

でも自分から振った場合は結構話してくれる気がするww(単純だなおい)

 

蓮が振られて落ち込んで、癒されたい!!って強く願ったあとに、椿に癒されて良かったね。しかも高嶺の花に。

落ち込んでる時に、異性から無償の優しさをもらって蓮はコロッと椿に気持ちが傾いたって感じですね。

 

これが蓮が椿に惹かれた理由でござる。

一目惚れじゃなかったw

あくまで可愛いは後付けな気がする、多分。(お前が考えたんだろ)

 

中3のとき蓮は啓介と裕太とクラスメイトでよく一緒に行動していました。

裕太たちは蓮のことをよく知っているので3章の時に、

 

 

「蓮って今彼女いなかったと思うし、」

過去に蓮が彼女がいたのを知っててした発言ですね。

また一つ伏線回収\(^o^)/

 

そして最後に椿が必死に探していたすごく大事な押し花のしおり。

そのお花がとのことですが、すごく大事にするぐらい重要なものなのかしら?(すっとぼけ)

とりあえず、大事なものが見つかって良かったねってことで(おい)

 

 

 

また最近ブログのデザインを変えたい欲が再発しちゃって、勉強しながら練習で漫画サイトを作っております( ^∀^)

Javascriptでページに動きをつけてみたんだけど、楽しい( ^ω^ )

 

⇩トップページは各章のメインキャラ達のイラストを自動的にスライドで流す感じにしました。

 

 

⇩登場人物のページでは、サムネイルをクリックするとキャラ画像が大きく表示されるように設定。

 

 

⇩その他は、今まで描いたイラストページに。

下にスクロールしていくと、サムネイルが少しクルッと回転する(わかりづらいw)感じにしてみた。遊び心ってやつ^^

 

 

本編と番外編ページはカテゴリ別にして見やすく作ってみようと思う。

練習で作ってるんだけど、納得いくものが出来たらお引越ししようかな( ^∀^)

まだまだ未定ではありますが。

 

Web制作楽しい( ^ω^ )

 

 

3連休ということで、今日は雨の中山口県にある周防大島という所までドライブに行ってきました\(^o^)/

 

ランチは鯛釜飯御膳を頂きました♡

 

 

お魚たくさん食べれて幸せでござる( ^∀^)

量が多くてワイのお腹は爆発しました(ぇ

 

この後に山の奥にある可愛い喫茶店に行ったのですが、さすがにデザートまでは食べれなかったよ( ;∀;)しくしく

 

 

次は晴れている時にまた行きたいな( ^ω^ )

 

 

 

ここまで読んでくださりありがとうございました!

次回もよろしくお願いします^^

 

 

 

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